特集 大腸癌手術におけるリンパ節郭清の理論と手技
大腸癌に対するリンパ節郭清(総論)
杉原 健一
1
1光仁会 第一病院/東京医科歯科大学名誉教授・特任教授
キーワード:
大腸癌
,
リンパ節郭清
,
大腸癌取扱い規約
Keyword:
大腸癌
,
リンパ節郭清
,
大腸癌取扱い規約
pp.253-257
発行日 2020年3月15日
Published Date 2020/3/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000001571
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
大腸癌に対する手術治療の基本的な考え方は,日本と欧米で異なっている。癌の進展様式のうち,局所治療である手術で根治が期待できるのは,浸潤とリンパ行性転移である。日本の大腸癌手術では,浸潤に対しては浸潤臓器の合併切除で対応し,リンパ行性転移に対しては原発巣からのリンパ流の還流領域を広範に切除するリンパ節郭清で対応している。一方,欧米では浸潤臓器の合併切除は行っているが,リンパ流還流領域の中枢方向の郭清は限定的である。しかし,結腸癌の吻合部再発の原因は腸管内に生存する癌細胞によるとの研究から,吻合部再発を予防するために広範な腸管切除を行っている1)。これは腸管軸方向のリンパ節郭清を意図しているのではない。
Copyright © 2020, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.