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綜説
膀胱癌に対するリンパ節郭清
Lymph node dissection for bladder cancer : current standard and the latest evidences
中川 徹
1
Tohru Nakagawa
1
1帝京大学医学部泌尿器科学教室
キーワード:
膀胱癌
,
リンパ節郭清
,
無作為化比較試験
Keyword:
膀胱癌
,
リンパ節郭清
,
無作為化比較試験
pp.273-281
発行日 2020年4月20日
Published Date 2020/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413206905
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要旨
骨盤リンパ節郭清は,膀胱癌に対する根治的膀胱全摘除術において必須である.リンパ節郭清によって得られた情報は予後予測・治療方針策定に有用であり(診断的意義),一部の症例では郭清による予後改善効果が示されている(治療的意義).郭清範囲は,複数の後ろ向き研究の結果に基づき,大動脈分岐部以下あるいは尿管交差部以下の総腸骨・仙骨前・内腸骨・閉鎖・外腸骨リンパ節の郭清が推奨されている.しかし,最近報告された無作為化比較試験(RCT)の結果によると,総腸骨動脈分岐部以下の郭清と比較して,傍大動脈・傍下大静脈領域まで郭清範囲を拡大しても,予後は改善しなかった.今後のさらなる検証を待つ必要がある.
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