特集 大腸癌手術におけるリンパ節郭清の理論と手技
大腸癌に対する腹腔鏡下大動脈周囲リンパ節郭清
福長 洋介
1
,
江本 慎
1
1がん研有明病院消化器外科
キーワード:
腹腔鏡下大動脈周囲リンパ節郭清
,
大腸癌
,
予後
Keyword:
腹腔鏡下大動脈周囲リンパ節郭清
,
大腸癌
,
予後
pp.281-289
発行日 2020年3月15日
Published Date 2020/3/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000001575
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大腸癌治療における大動脈周囲リンパ節(paraaortic lymph node;PALN)郭清はいまだ標準とはいえない。わが国の大腸癌取扱い規約 第9版1)でもUICCによるTNM分類2)でも,同部は領域リンパ節外のリンパ節であり遠隔転移とされている。わが国の大腸癌治療ガイドライン2019年版3)では,「StageⅣ大腸癌の治療方針」という項に遠隔転移巣が切除可能か不可能かというかなり曖昧なアルゴリズムが示されており,その詳細でPALN郭清の効果を示す論文が引用されている4)。一般的には化学療法が主たる治療法との認識であるが,転移の数の少ない場合には同部の郭清を行うことにより長期予後が得られる可能性があるというものである。
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