手術症例報告
ハイブリッド手術室を用いた選択的門脈塞栓併用による二期的肝切除を施行し,治療し得た多発大腸癌肝転移の1例
萱島 寛人
1
,
皆川 亮介
1
,
三浦 亘智
2
,
由茅 隆文
1
,
古賀 聡
1
,
梶山 潔
1
1飯塚病院外科
2飯塚病院画像診療科
キーワード:
大量肝切除
,
多発肝転移
,
3Dシミュレーション
Keyword:
大量肝切除
,
多発肝転移
,
3Dシミュレーション
pp.235-241
発行日 2020年2月15日
Published Date 2020/2/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000001545
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根治切除可能な大腸癌肝転移には肝切除が推奨されているが,その適応基準の1つとして十分な残肝機能が必要となる。とくに大量肝切除を要する場合は術後の残肝容積の確保が必須であり,門脈塞栓,二期的肝切除,ALPPS手術(associating liver partition and portal vein ligation for staged hepatectomy)などが症例に応じて選択される。門脈塞栓単独では待機期間中の腫瘍増大による脱落を認めること,二期的肝切除では選択的な門脈分枝の処理が困難であることや二期目手術の際の肝門部操作が困難であることから,近年では多発大腸癌肝転移に対する治療法としてALPPS手術の有用性が散見される。しかし,急激な残肝容積の増大が得られる一方で,高い周術期死亡率が問題となる。
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