Japanese
English
臨床報告
集学的治療にて長期生存中の多発肝転移を伴う若年者AFP産生胃癌の1例
A case report of long-term survival juvenile alpha-fetoprotein(AFP)-producing gastric cancer with multiple liver metastatic tumors treated with surgery and postoperative chemotherapy
山上 裕子
1
,
水谷 伸
2
,
打越 史洋
1
,
鳥 正幸
1
,
上島 成幸
1
,
西田 俊朗
1
Yuko YAMAGAMI
1
1大阪警察病院外科
2市立芦屋病院外科
キーワード:
若年者胃癌
,
AFP産生胃癌
,
多発肝転移
Keyword:
若年者胃癌
,
AFP産生胃癌
,
多発肝転移
pp.219-223
発行日 2013年2月20日
Published Date 2013/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104469
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要旨
症例は20歳,女性.心窩部痛を主訴に受診し,精査にて胃噴門部癌を指摘された.肝S4,S8に最大8 cmの多発転移を認め,血中α-fetoprotein(AFP)値が76,220 ng/mLと異常高値であった.S-1+CDDPによる化学療法を施行したがSDであった.審査腹腔鏡にてP0,CY1であったが,原発巣および肝転移巣は切除可能と判断し,胃全摘術,拡大左葉切除術を施行した.術後経過は良好で,その後S-1内服を5年間継続した.6年6か月を経過した現在,再発徴候はなく血中AFP値も基準値内で維持されている.非常に稀な肝転移を伴う若年かつAFP産生胃癌の1例を経験した.若年者の進行胃癌でも,積極的な集学的治療により,予後の改善が見込める可能性がある.
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