Japanese
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特集 多発肝転移をめぐって
根治的肝切除の適応と治療成績
Liver resection for multiple liver metastases from colorectal cancer
橋本 拓哉
1
,
國土 典宏
1
Takuya HASHIMOTO
1
1東京大学大学院医学系研究科肝胆膵外科学
キーワード:
多発肝転移
,
大腸癌
,
肝切除
,
遠隔成績
Keyword:
多発肝転移
,
大腸癌
,
肝切除
,
遠隔成績
pp.1173-1179
発行日 2007年9月20日
Published Date 2007/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101816
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要旨:肝臓は悪性腫瘍の血行性転移の主な転移先の臓器の1つであり,発見時にすでに多発転移をきたしていることも稀ではない.手術以外の根治的治療法はなく,これらの転移性肝腫瘍に対して肝切除が試みられてきた.特に大腸癌肝転移に対しては,多発肝転移症例に対しても積極的に肝切除が行われており,遠隔成績を含めた様々なエビデンスが報告されている.肝切除そのものの進歩やそれに伴う安全性の向上によって技術的な切除限界はなくなりつつあるが,転移個数を含めた根治的手術の適応に関しては一定の見解が得られていない.多発肝転移の肝切除後の遠隔成績に関しては,いまだ満足できるものとは言えず,肝切除を中心に据えたうえで,化学療法併用なども含めた治療戦略を模索していく必要がある.
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