手術手技
ハイリスク食道癌症例に対する気縦隔鏡・用手補助腹腔鏡下非開胸食道切除術
佐々木 健
1
,
内門 泰斗
1
,
尾本 至
1
,
野田 昌宏
1
,
奥村 浩
2
,
夏越 祥次
1
1鹿児島大学大学院消化器・乳腺甲状腺外科学
2鹿児島厚生連病院外科・消化器外科
キーワード:
非開胸食道切除
,
気縦隔鏡
,
用手補助腹腔鏡下
Keyword:
非開胸食道切除
,
気縦隔鏡
,
用手補助腹腔鏡下
pp.77-82
発行日 2019年1月15日
Published Date 2019/1/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000001011
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縦隔鏡を用いた食道切除術は1993年にBummら1)により初めて報告されている。わが国では2004年にTangokuら2)が,先端が扁平で透明なダイセクターに5 mmの硬性斜視鏡を一体化させ,リトラクターとしての機能も兼ね備えた縦隔鏡を用いた食道切除術を報告している。われわれはこれまで,ハイリスク症例に対して,このダイセクターと硬性斜視鏡一体型の縦隔鏡を用いて開腹・縦隔鏡補助下非開胸食道切除術を行い,その有用性を報告してきた3)。最近では,藤原ら4)が開発した気縦隔鏡アプローチによる非開胸食道切除術を導入し,これまで30例を超える症例を経験している。気縦隔鏡下非開胸食道切除術は体位変換の必要がなく,また,両肺換気で肺の虚脱・圧排などを行わずに手術可能であるため,手術時間の短縮と呼吸器合併症の軽減に効果があるとされる5,6)。縦隔鏡下4),あるいは,縦隔鏡とロボット支援手術を併用した6)食道癌根治切除術も可能であるが,われわれは主に縮小・低侵襲を目的に本テクニックを用いた食道切除術を行っている。
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