増刊号 すぐに使える周術期管理マニュアル
Ⅲ章 術式別の術前・術中・術後管理
食道
開胸食道切除術
加藤 寛章
1
,
白石 治
1
,
岩間 密
1
,
安田 篤
1
,
新海 政幸
1
,
木村 豊
1
,
安田 卓司
1
Hiroaki KATO
1
1近畿大学医学部外科学教室 上部消化管外科
pp.94-97
発行日 2019年10月22日
Published Date 2019/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407212669
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術前管理
●術前検査
食道癌に対する食道切除術は,頸部,胸部,腹部と3領域にまたがる非常に高侵襲な手術であり,合併症が重篤化すると致死的になりうるリスクもあるため,術前には,全身状態・耐術能の評価に加え,術後肺炎を中心とした合併症のリスク評価と予防対策を行う.
一般的な術前検査(血液検査,尿検査,フローボリュームによる肺機能検査,心電図)に加え,高齢者や嚥下機能低下が疑われる場合は,嚥下造影検査(videofluoroscopic examination of swallowing:VF),嚥下内視鏡検査(videoendoscopic examination of swallowing:VE)による嚥下機能評価を行っている.当科の標準再建術式は胃管胸骨後挙上頸部吻合であるが,呼吸機能が低い場合や誤嚥リスクが高い場合は,癌の状態などと合わせて判断して,二期分割手術や,嚥下機能を温存するために高位胸腔内吻合などの術式を選択することになる.
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