特集 腹腔鏡下胃切除後体腔内再建のKnack & Pitfalls
Ⅱ.腹腔鏡下胃全摘術 2)Overlap法による再建
柴崎 晋
1
,
川村 秀樹
1
,
市川 伸樹
1
,
吉田 雅
1
,
本間 重紀
1
,
武冨 紹信
1
1北海道大学大学院医学研究院・消化器外科学教室Ⅰ
キーワード:
laparoscopic total gastrectomy
,
esophagojejunostomy
,
overlap method
Keyword:
laparoscopic total gastrectomy
,
esophagojejunostomy
,
overlap method
pp.33-38
発行日 2019年1月15日
Published Date 2019/1/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000001005
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腹腔鏡下胃全摘(laparoscopic total gastrectomy;LTG)は胃全摘全体の約20%に行われているにすぎず1),胃癌治療ガイドラインにおいても十分なエビデンスがないため,標準治療としては推奨されていない2)。とくに腹腔鏡下での再建が困難とされ,Koderaら3)のNCDに基づく報告によると,縫合不全が開腹手術の3.6%に対してLTGは5.4%(P<0.001)と有意に高く,課題の1つといえる。LTG後の食道空腸吻合にはcircular staplerとlinear staplerを用いた方法があるが,当科ではlinear staplerを用いたoverlap法4)を標準術式としている。本法は視野が良く再現性の高い手技であり,高位吻合においても有用で,術後狭窄が少ない点も利点であると考えている5)。
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