カラーグラフ 外科手術における新しいテクニック―new art in surgery・5
腹腔鏡下胃全摘術
川平 洋
1
,
林 秀樹
1,2
,
鍋谷 圭宏
1
,
中島 光一
3
,
山崎 将人
4
,
牧野 治文
5
,
赤井 崇
1
,
上里 昌也
1
,
西森 孝典
1
,
林 春幸
3
,
落合 武徳
1,6
Hiroshi KAWAHARA
1
1千葉大学大学院医学研究院先端応用外科学
2千葉大学フロンティアメディカル工学研究開発センター
3三愛記念そが病院外科
4帝京大学ちば総合医療センター外科
5下都賀病院外科
6三愛記念そが病院消化器病センター
pp.1151-1158
発行日 2007年9月20日
Published Date 2007/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101812
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はじめに
腹腔鏡下胃癌手術はKitanoら1)による腹腔鏡補助下幽門側胃切除術(以下,LADG)の報告から13年が経過し,様々な議論を経て内視鏡下の胃癌リンパ節郭清手技がほぼ確立されたことや,2002年に腹腔鏡(補助)下胃癌手術が保険収載されたことなどから,わが国において広く受け入れられることとなった.また,LADGの低侵襲性のメリットが科学的に明らかにされたことや1,2)自動吻合器の使用方法が工夫されるようになったこと,内視鏡下体内縫合・結紮手技の普及に伴い内視鏡下に安全に施行することが可能な種々の新しい消化管吻合法が開発されたことなどから3~5),LADGばかりでなく腹腔鏡(補助)下の噴門側胃切除や胃全摘術などの施行症例数も増加し,良好な結果が報告されつつある6,7).これらの新しい術式も早期胃癌の割合が高いわが国においては広く普及する可能性があると考えられる.
本稿では,われわれが標準的に行っている早期胃癌に対する腹腔鏡補助下胃全摘術(以下,LATG)の術式の詳細を述べる.
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