特集 括約筋間直腸切除術(ISR)の手術手技
肛門操作を先行させた腹腔鏡下ISR─経肛門的直腸剥離術(transanal rectal dissection)によるbottom-up approach
船橋 公彦
1
,
小池 淳一
1
,
金子 奉暁
1
,
牛込 充則
1
,
鏡 哲
1
,
甲田 貴丸
1
1東邦大学医学部外科学講座一般・消化器外科
キーワード:
括約筋間直腸切除術
,
intersphincteric resection (ISR)
,
肛門操作先行アプローチ
Keyword:
括約筋間直腸切除術
,
intersphincteric resection (ISR)
,
肛門操作先行アプローチ
pp.1831-1838
発行日 2018年12月15日
Published Date 2018/12/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000000965
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1994年にSchiesselら1)によって報告された括約筋間直腸切除術(intersphincteric resection;ISR)は,2000年にわが国に導入され,現在では「究極の肛門温存術」として国内でも広く普及している。しかしながら,直腸切除に伴う頻便,便意逼迫,soiling,便失禁などのlow anterior resection syndrome(LARS)は,内括約筋の切除を伴うISRではmajor LARSが高率に認められ,患者の術後のQOLにも大きな影響を与えている。直腸癌の術後排便障害の危険因子は,これまでにも多くの研究者によって報告されてきたが,放射線治療2,3),吻合部の位置4),内括約筋の切除5,6),吻合部トラブルはとくに重要な危険因子であり,術後機能の視点からすると内括約筋は極力温存に努めるべきで,また内括約筋の切除が必要とされる場合には,その切除量は最低限に留める姿勢が重要である7)。
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