合併症ゼロを目指した最新の低侵襲内視鏡外科手術
Ⅵ 大腸・肛門 7 腹腔鏡下括約筋間直腸切除術(ISR)
平松 康輔
1
,
黒柳 洋弥
1
,
的場 周一郎
1
,
岡崎 直人
1
,
藤井 能嗣
1
,
前田 裕介
1
1虎の門病院消化器外科
キーワード:
直腸癌
,
腹腔鏡手術
,
括約筋間直腸切除術
Keyword:
直腸癌
,
腹腔鏡手術
,
括約筋間直腸切除術
pp.621-627
発行日 2018年3月31日
Published Date 2018/3/31
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000000653
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1994 年にSchiessel らにより外肛門括約筋を温存しつつ内肛門括約筋を切除し結腸肛門吻合を行う括約筋間直腸切除術(intersphincteric resection;ISR)が報告された1)。ISR の導入により,外科的肛門管におよぶ直腸癌に対しても肛門温存の適応が拡大した。しかし,癌の根治性と排便機能温存の両立や手術の安全性を保つうえで,正しい剝離層での手術が必要不可欠である。腹腔鏡下直腸手術の利点である狭骨盤内における良好な視野やその拡大視効果は,正確な剝離層の実現に有用であると考え,当院では積極的に腹腔鏡手術を施行している。本稿では腹腔鏡下ISR の手術のポイントを,とくに「合併症ゼロを目指した」という今回の臨時増刊号特集のテーマに着目して論じる。
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