合併症ゼロを目指した最新の低侵襲内視鏡外科手術
Ⅴ 膵臓・脾臓 4 腹腔鏡下脾臓摘出術
長尾 吉泰
1
,
赤星 朋比古
2
,
川中 博文
3
,
吉住 朋晴
1
,
橋爪 誠
2
,
前原 喜彦
1
1九州大学大学院消化器総合外科
2九州大学大学院消化器総合外科 先端医療医学
3国立病院機構別府医療センター・臨床研究部
キーワード:
腹腔鏡下脾臓摘出術
,
脾機能亢進症
,
門脈圧亢進症
Keyword:
腹腔鏡下脾臓摘出術
,
脾機能亢進症
,
門脈圧亢進症
pp.561-567
発行日 2018年3月31日
Published Date 2018/3/31
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000000646
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脾臓摘出術の適応は,特発性血小板減少性紫斑病などの血液疾患や外傷,腫瘍,門脈圧亢進症など多岐にわたり,また胃癌,膵癌に対するリンパ節郭清のために合併切除されることもある。脾摘後重症感染症の懸念から,その適応はリスクとベネフィットを考慮したうえでの手術となる。脾臓は左上腹部の深いところにあり,腹腔鏡手術による良好な視野,拡大視効果といった利点を享受しやすい手術術式である。そのため,1992年にCaroll らが初めて腹腔鏡にて脾臓摘出に成功して以来,手術器具の進歩も伴い,その術式は発展してきた。また,従来は脾腫,発達した側副血行,凝固能の低下があるため,腹腔鏡手術の難易度は高いとされ,適応外であった肝硬変症例や門脈圧亢進症症例についても以前より安全に施行可能となってきており,その適応は広がってきている1,2)。
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