手術手技
食道胃接合部癌に対するHybrid 法を用いた下縦隔観音開き法再建─Tri Double-flap Hybrid method
大森 健
1
,
山本 和義
1
,
柳本 喜智
1
,
牛丸 裕貴
1
,
宍戸 裕二
1
,
矢野 雅彦
1
1大阪国際がんセンター消化器外科
キーワード:
食道胃接合部癌
,
観音開き法
,
下縦隔再建
Keyword:
食道胃接合部癌
,
観音開き法
,
下縦隔再建
pp.77-81
発行日 2018年1月15日
Published Date 2018/1/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000000540
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食道浸潤噴門癌に対する術式は,食道浸潤が3 cm 以内であれば,経裂孔的アプローチが右開胸開腹アプローチに比べ安全性が高いとされ,低侵襲である経裂孔的アプローチが主流となっており,近年,世界的に増加傾向にある。食道胃接合部癌,とくに,腫瘍中心が食道胃接合部前後2 cm 以内にあるSiewert type Ⅱ食道胃接合部癌のリンパ流はいまだ解明されていない。よって,同腫瘍に対する術式,至適リンパ節郭清範囲に関しては,いまだ一定の見解は得られていないものの,腹腔鏡手術が発展し,食道胃接合部癌のような難易度の高い手術にも応用されるようになってきた。しかしながら,術野の確保が困難な下縦隔内でのリンパ節郭清や,食道胃切除再建法の難易度はきわめて高く,術式は定型化されていない。さらに,縦隔内は陰圧であることによって術後高頻度に逆流性食道炎を生じることから,食道残胃吻合においては,逆流防止機能を付加した術式が必須である。
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