Japanese
English
症例
下肢に皮膚転移をきたした多発性骨髄腫の1例
Multiple myeloma with skin metastasis on the lower limb
森田 寛之
1
,
古賀 浩嗣
1
,
白濵 稔大
1
,
山崎 嘉孝
2
,
長藤 宏司
2
,
名嘉眞 武國
1
Hiroyuki MORITA
1
,
Hiroshi KOGA
1
,
Toshihiro SHIRAHAMA
1
,
Yositaka YAMASAKI
2
,
Koji NAGAFUJI
2
,
Takekuni NAKAMA
1
1久留米大学医学部,皮膚科学講座(主任:名嘉眞武國教授)
2同,内科学講座,血液・腫瘍内科部門
キーワード:
多発性骨髄腫
,
下肢
,
皮膚転移
,
特異疹
,
IgG-κ鎖
Keyword:
多発性骨髄腫
,
下肢
,
皮膚転移
,
特異疹
,
IgG-κ鎖
pp.1451-1454
発行日 2025年10月1日
Published Date 2025/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000005441
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63歳,女性。5年前に血液内科でIgG-κ鎖型多発性骨髄腫の診断に至り加療中であった。2カ月前より左下腿が全体的に硬く腫脹し熱感・発赤を伴い,左下腿伸側には表面平滑な顆粒状紅色結節が融合し,腫瘤を形成してきた。蜂窩織炎を疑われ当科受診となったが,受診後に行った皮膚生検による病理組織学的所見と,CTで多発する腫瘤性病変を認め,その病変が骨との連続性は認められないことからIgG-κ鎖型多発性骨髄腫の皮膚転移と診断した。その後も多発性骨髄腫に対し加療が行われたが,皮膚転移出現後4カ月で死亡に至った。多発性骨髄腫の特異疹は皮膚浸潤,皮膚転移に分けられており,特異疹は非常にまれではあるが,皮疹出現後1年以内に死亡する例が多い。今回われわれは過去の特異疹の報告症例をまとめ,皮膚浸潤と皮膚転移でのM蛋白型の割合や死亡率,死亡期間について比較検討した。

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