学童期に発症した黄色肉芽腫の男児例

Xanthogranuloma occurring in the school-age period

10歳，男児。3カ月前より左膝窩部に小結節が出現し，当科を初診した。軽度の圧痛以外に自覚症状はなかった。左膝窩部に淡紅褐色調ドーム状の小結節を認め，表面はやや粗造で，淡黄褐色調を呈していた。ダーモスコピー像は表面に鱗屑を伴い，小球状で黄褐色調の無構造領域が散見され，色素沈着や血管拡張はなかった。全摘生検の病理組織像は，隆起性の病変で，真皮に結節状病変があり，泡沫細胞やTouton型巨細胞，異物型多核巨細胞など多核巨細胞を含む組織球で構成されていたため若年性黄色肉芽腫と診断した。全摘2年経過後，再発はない。10歳台の学童期発症の本症は比較的少なく，若年性と成人型の中間的な位置づけに該当する。