活動性の単関節炎部位に生じ，関節リウマチが合併したLinear Sclerodermaの1例

Linear scleroderma occurring on an active arthritic site and complicated by rheumatoid arthritis

74歳，女性。2年前より左肘部に活動性の単関節炎が生じ，当院を受診した。単関節炎部位を含む左上腕から左前腕にかけて，Blaschko線に沿って皮膚硬化を伴う褐色斑を呈しており，組織学的所見で真皮膠原線維の密な増生と肥厚がみられ，線状強皮症と診断した。単関節炎に対しては抗CCP抗体陽性であり，炎症反応を伴っていたことから関節リウマチ疑いにて加療開始し，滑膜生検を施行して確定診断を得た。現在，限局性強皮症症状は改善している。限局性強皮症の皮膚症状を呈した部位に関節リウマチによる関節炎を合併する症例はまれであり，限局性強皮症と関節リウマチのそれぞれが呈する所見の相違を含めて報告する意義があると考えた。