Japanese
English
臨床経験
ムンプス関節炎の1例
A Case Report of Mumps Arthritis
森永 伊昭
1
,
久米 守
1
,
木村 弘
1
Yoshiaki Morinaga
1
1十和田市立中央病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Towada City Hospital
キーワード:
ムンプス関節炎
,
mumps arthritis
,
近位指節間関節
,
PIP joint
,
単関節炎
,
monoarthritis
,
小児
,
child
Keyword:
ムンプス関節炎
,
mumps arthritis
,
近位指節間関節
,
PIP joint
,
単関節炎
,
monoarthritis
,
小児
,
child
pp.1399-1402
発行日 1987年12月25日
Published Date 1987/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907742
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抄録:ムンプス(流行性耳下腺炎)は睾丸炎,膵臓炎,髄膜炎,その他種々の臓器の炎症を合併することがあり今日では全身性疾患として理解されている.我々はきわめてまれな合併症であるムンプス関節炎の1例を経験した.症例は8歳女児で,ムンプス患者に接触し16日後に,耳下腺炎に先行して右第3指PIP関節炎が発症した.疼痛・可動域制限は第24病日には消失した.ムンプス抗体(CF)は第10病日:16倍,第31病日:32倍であった.ムンプス関節炎は21〜30歳の成人に多く,男性に多い.耳下腺炎後3週以内に発病することが多いが本症例のように耳下腺炎に先行することもある.また,耳下腺炎を合併しないこともあり,この場合は血清学的診断を要する.一般的には多関節炎をきたし,しばしば遊走性であるが,小児では罹患関節数が少なく症状も軽い傾向がある.治療として抗生剤は無効であり,対症療法が主となる.
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