抗RuvBL1/2抗体陽性全身性強皮症と多発性筋炎のオーバーラップ症候群の1例

Overlap syndrome of anti-RuvBL1/2 antibody-positive systemic sclerosis and polymyositis

40歳台，女性。初診の9カ月前に四肢の皮膚硬化と手指腫脹を自覚した。初診時，下肢近位筋優位の筋力低下，筋原性酵素の上昇，筋炎を示す筋電図変化も認めており，全身性強皮症と多発性筋炎のオーバーラップ症候群と診断した。プレドニゾロン，免疫グロブリン大量静注療法，さらにはミコフェノール酸モフェチル併用で筋原性酵素は正常化しなかったが，プレドニゾロンをベタメタゾンに変更することで正常域にまで低下した。自験例は抗RuvBL1/2抗体陽性であった。同抗体陽性強皮症にオーバーラップする筋炎は治療反応性が良好ではなく，多剤での治療を要する可能性があるため，注意が必要である。