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講座 リハビリテーション医のためのリウマチ・膠原病入門(8)
進行性全身性硬化症(強皮症)と多発性筋炎(皮膚筋炎)
Rheumatism and Collagen Disease. 8. Progressive Systemic Sclerosis (scleroderma) and Polymyositis (dermatomyositis).
柏崎 禎夫
1
Sadao Kashiwazaki
1
1北里大学医学部内科
1Department of Internal Medicine, Kitasato University School of Medicine.
キーワード:
進行性全身性硬化症
,
多発性筋炎
Keyword:
進行性全身性硬化症
,
多発性筋炎
pp.641-647
発行日 1981年8月10日
Published Date 1981/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104593
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Ⅰ.進行性全身性硬化症(強皮症)
(Progressive Systemic Sclerosis,以下 PSS)
1.概念
全身の結合組織に炎症性,線維性および変性性変化が認められ,同時に末梢血管障害と免疫異常を伴う慢性疾患である.
本症は強皮症(scleroderma)とも呼ばれているごとく,ほとんどすべての患者が皮膚症状を有している.これがまた本症の最も特徴とする症状である.皮膚は硬くなるが,決して強くなるわけではなく,むしろ傷つきやすく,それが治りにくいという性質がある.しかし,単なる皮膚病ではなく,皮膚以外にも関節,筋肉や食道を中心とする消化管,肺臓,心臓,腎臓などの内臓臓器も障害されることから,近年は進行性全身性硬化症と命名されている.最近では,すべての症例が必ずしも終始進行性ではないことから単に全身性硬化症とも呼んでいる.
本症の有病率は全身性エリテマトーデス(SLE)の約1/2~1/3,年間発生率は人口100万人当たり3人以下と低く,比較的まれな疾患である.性比は男1:女3~5と女性に多い.発病は20歳代から50歳代が最も多い.10歳以下,70歳以上の発病はきわめてまれである.
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