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抗SRP抗体の多発性筋炎における意義
丸山 俊昭
1
,
宮坂 信之
2
1東京医科歯科大学第一内科
2東京医科歯科大学難治疾患研究所
キーワード:
抗SRP抗体
,
多発性筋炎
,
間質性肺炎
Keyword:
抗SRP抗体
,
多発性筋炎
,
間質性肺炎
pp.421-422
発行日 1993年4月15日
Published Date 1993/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542901508
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多発性筋炎(polymyositis;PM)と皮膚筋炎(dermatomyositis;DM)の患者には筋炎関連自己抗体とも呼ばれる一連の自己抗体か高率に見られる.中でも,抗SRP (signal recognition parti-cle)抗体は,Reevesらか初めて典型的なPMにおいて報告したユニークな自己抗体である1).抗SRP抗体を持つ患者は,抗Jo-1(histidyl-trans-fer RNA[tRNA]synthetase)抗体を初めとするさまざまなaminoacyl[AA]-tRNA sythetaseに対する抗体を持つ患者と比較して異なる臨床上の特徴があり,最近注目されている.
SRP蛋白は,細胞質低分子である7SLのRNAと72,68,54,19,14,9kDaの6つのポリペプチド鎖から成る細胞質リボ核酸蛋白(RNP)である2,3).54kDaのポリペプチドを除いて,すべての蛋白は7SL RNAに直接結合しているが,54 kDaのポリペプチドは,19kDaのポリペプチドを通して7SL RNAと結合している.SRP蛋白は分泌蛋白N末端に共通して存在するシグナルペプチドを認識して,粗面小胞体上のリボゾームにおける蛋白合成を調節し,endoplasmic reticulumを通しての蛋白の分泌と移動に重要な役割を果たしているらしい2,3).
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