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特集 4疾患からみる膠原病のいま
症例報告
全身性強皮症の治療経過中に心囊水貯留を契機として全身性エリテマトーデスとのオーバーラップ症候群と診断された1例
Overlap Syndrome with Systemic Lupus Erythematosus Diagnosed by Pericardial Effusion During the Clinical Course of Systemic Sclerosis
大石 京介
1
,
中尾 将治
1
,
吉村 紫
1
,
松下 貴史
1
,
濱口 儒人
1
,
竹原 和彦
1
,
三宅 泰人
2
,
和田 隆志
2
Kyosuke OISHI
1
,
Masaharu NAKAO
1
,
Yukari YOSHIMURA
1
,
Takashi MATSUSHITA
1
,
Yasuhito HAMAGUCHI
1
,
Kazuhiko TAKEHARA
1
,
Taito MIYAKE
2
,
Takashi WADA
2
1金沢大学医薬保健研究域医学系,皮膚分子病態学(主任:竹原和彦教授)
2同,腎臓内科(主任:和田隆志教授)
キーワード:
全身性強皮症
,
全身性エリテマトーデス
,
オーバーラップ症候群
,
心囊水貯留
Keyword:
全身性強皮症
,
全身性エリテマトーデス
,
オーバーラップ症候群
,
心囊水貯留
pp.1831-1834
発行日 2019年11月1日
Published Date 2019/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000001673
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37歳,女性。7年前よりRaynaud現象,手指の皮膚硬化が出現し,体幹に拡大した。抗U1-RNP抗体陽性。びまん皮膚硬化型全身性強皮症と診断した。プレドニゾロン20mg/日を内服し,症状は改善したため5年後にプレドニゾロンは漸減,中止した。2カ月前から全身倦怠感と下腿浮腫が出現した。精査で著明な心囊水貯留,抗Sm抗体,抗ds-DNA抗体の陽転化,C3cの軽度低下がみられ,全身性強皮症と全身性エリテマトーデスのオーバーラップ症候群と診断した。プレドニゾロン30mg/日の投与により心囊水は速やかに減少した。全身性強皮症患者の経過中に心囊水貯留が出現した場合,全身性強皮症による心病変以外に,全身性エリテマトーデス新規発症を鑑別にあげる必要があると考えた。
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