Fabry病の発汗障害に対して酵素補充療法が有効であった1例

Enzyme replacement therapy improves sweat gland function in Fabry disease

24歳，男性。10歳頃からの発汗低下，体温上昇時の四肢先端の痛みを自覚し受診した。発汗負荷検査では，体幹の発汗はほとんど認めず，体温は37.7℃まで上昇した。血液検査でαガラクトシダーゼ活性低下を認め，背部の被角血管腫から生検を施行し，電顕にて毛細血管内の血管内皮細胞内にゼブラ小体がみられ，Fabry病と診断した。その後，酵素補充療法が開始となり，3カ月後に再度発汗負荷検査を行ったところ，前胸部を中心に発汗を認めた。酵素補充療法の効果は小児期から開始すると高いとされているが，成人で診断がついたFabry病でも酵素補充療法を行うことで発汗障害が改善することが期待できる。