Japanese
English
症例
多彩な症状を呈した栄養障害による壊死性遊走性紅斑の1例
Necrolytic migratory erythema with a variety of symptoms associated with nutritional disturbance
中野 里穂
1
,
木下 華子
1
,
仁木 真理子
1
,
久保 宜明
1
,
中村 文香
2
,
武藤 浩平
3
Riho NAKANO
1
,
Hanako KINOSHITA
1
,
Mariko NIKI
1
,
Yoshiaki KUBO
1
,
Fumika NAKAMURA
2
,
Kouhei MUTOU
3
1徳島大学大学院医歯薬学研究部,皮膚科学(主任:久保宜明教授)
2同,消化器内科学
3同,脳神経内科学
キーワード:
壊死性遊走性紅斑
,
ビタミン欠乏性ニューロパチー
,
下痢
Keyword:
壊死性遊走性紅斑
,
ビタミン欠乏性ニューロパチー
,
下痢
pp.1491-1494
発行日 2024年10月1日
Published Date 2024/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004802
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56歳,女性。初診2カ月前に皮疹と手足のしびれが出現し,1カ月前から下痢を認めた。BMI 14台で,偏食とアルコール多飲歴があった。下肢を中心に境界明瞭な暗紅色斑を認め,膜様鱗屑を付着し,所々にびらんや痂皮も伴っていた。また,躯幹四肢の広範囲に神経障害がみられた。血液検査ではアミノ酸や亜鉛,ビタミンが低下していた。悪性腫瘍はなく,栄養障害による壊死性遊走性紅斑とビタミン欠乏性ニューロパチーと診断し,栄養補充と整腸剤内服を行った。皮疹と下痢は軽快したが,歩行障害は残存したためリハビリ目的に転院した。栄養障害による壊死性遊走性紅斑を診た際には,神経障害の有無にも注意が必要である。
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