Japanese
English
症例報告
グルカゴノーマに伴う壊死性遊走性紅斑の1例
A case of necrolytic migratory erythema associated with glucagonoma
棟田 加奈子
1
,
端本 宇志
1
,
渡邊 憲
1
,
林 理華
2
Kanako MUNETA
1
,
Takashi HASHIMOTO
1
,
Ken WATANABE
1
,
Rika HAYASHI
2
1横浜市立みなと赤十字病院皮膚科
2横浜馬車道皮膚科・ペインクリニック皮膚科
1Division of Dermatology, Yokohama City Minato Red Cross Hospital, Yokohama, Japan
2Division of Dermatology, Yokohama Bashamichi Skin and Pain Clinic, Yokohama, Japan
キーワード:
壊死性遊走性紅斑
,
グルカゴノーマ
Keyword:
壊死性遊走性紅斑
,
グルカゴノーマ
pp.675-680
発行日 2017年8月1日
Published Date 2017/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205178
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要約 55歳,男性.2010年頃から搔痒を伴う紅斑を自覚し,軽快と再燃を繰り返した.2014年7月に腹痛を主訴に内科を受診し,グルカゴノーマと診断されたが,その後通院を自己中断していた.2015年3月当院へ紹介受診となり,臀部・大腿部・下腿に境界明瞭な色素沈着と数珠状に痂皮が付着した紅斑を認めた.血液検査でグルカゴン高値とアミノ酸欠乏を認め,グルカゴノーマに付随する壊死性遊走性紅斑と診断した.近年の壊死性遊走性紅斑の症例報告は胃切除後の低栄養や肝硬変,摂食障害など低栄養状態に関連するものが多い.これらの症例と比べて,グルカゴノーマに付随する壊死性遊走性紅斑の症例ではアミノ酸低値が顕著で,症状が全身に及ぶ例が多く,舌炎の合併が多い.栄養障害に伴う症例ではほぼ亜鉛欠乏が必発で,症状が四肢に限局するものが半数を超えるといった差異がみられた.
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