Japanese
English
症例
自己免疫性肝炎に合併した栄養障害による壊死性遊走性紅斑の1例
Necrolytic migratory erythema due to malnutrition associated with autoimmune hepatitis
遠藤 瑠璃子
1
,
神﨑 美玲
1
,
高山 麻希
1
,
茂木 秀人
2
Ruriko ENDO
1
,
Mirei KANZAKI
1
,
Maki TAKAYAMA
1
,
Hideto MOTEGI
2
1水戸済生会総合病院,皮膚科(主任:神﨑美玲主任部長)
2水府病院,消化器内科
キーワード:
壊死性遊走性紅斑
,
自己免疫性肝炎
,
栄養障害
,
血漿アミノ酸分析
,
亜鉛欠乏
Keyword:
壊死性遊走性紅斑
,
自己免疫性肝炎
,
栄養障害
,
血漿アミノ酸分析
,
亜鉛欠乏
pp.207-211
発行日 2022年2月1日
Published Date 2022/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003097
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63歳,女性。自己免疫性肝炎に対してステロイド治療中であった。10日前から両下肢に紅斑,膿疱,びらんが出現して遠心性に拡大した。病理組織学的に表皮角化細胞の空胞変性,好酸性壊死,表皮内裂隙形成がみられた。全身検索でグルカゴノーマを示す所見はなかったが,血漿アミノ酸,血清亜鉛の低下があり,自己免疫性肝炎に合併した栄養障害性の壊死性遊走性紅斑と診断した。亜鉛,アミノ酸の補充と栄養食品の摂取によって,皮疹は約3週間で改善した。壊死性遊走性紅斑は,従来グルカゴノーマのデルマドロームとされてきたが,栄養障害や亜鉛欠乏が誘因となって発症する場合があるため,基礎疾患の有無を確認し栄養状態の評価を行うことが大切である。
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