Japanese
English
特集 細菌感染症
顔面に皮下膿瘍を形成したCA-MRSA感染症の1例
Subcutaneous abscess on the face caused by CA-MRSA
山本 容子
1
,
須鴨 菜花
2
,
中村 造
3
,
原田 和俊
1
Yoko YAMAMOTO
1
,
Nanoka SUGAMO
2
,
Itaru NAKAMURA
3
,
Kazutoshi HARADA
1
1東京医科大学,皮膚科学分野(主任:原田和俊教授)
2同,耳鼻咽喉科・頭頸部外科学分野
3同,感染制御部
キーワード:
CA-MRSA
,
皮下膿瘍
,
顔面
,
Panton-Valentine leukocidin
,
HA-MRSA
Keyword:
CA-MRSA
,
皮下膿瘍
,
顔面
,
Panton-Valentine leukocidin
,
HA-MRSA
pp.1437-1440
発行日 2024年10月1日
Published Date 2024/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004787
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
48歳,女性。右鼻孔下方に毛孔一致性の膿疱が出現し,近医で加療されるも改善なく当科を紹介受診した。受診時,右鼻孔下方に小指頭大の排膿のある結節を認めた。CA-MRSAを疑いスルファメトキサゾール・トリメトプリムを投与するも初診3日後に症状増悪し再診した。造影CTにて皮下膿瘍を認め,局所麻酔下に排膿を行った。局所の洗浄および内服加療継続にて症状は改善した。膿の培養から黄色ブドウ球菌が分離されPCR法にてPVL遺伝子が増幅された。PVL産生CA-MRSAは近年増加傾向にあり,基礎疾患のない患者が重症の毛囊炎や皮下膿瘍を形成した場合には,同菌による感染を念頭に置き培養検査および抗菌薬を選択することが肝要と考える。
Copyright © 2024, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.