Japanese
English
症例
銀細工者の手指に生じた彫金後の限局性銀皮症の1例
Localized argyria on the fingers of a silversmith appearing after engraving
佐藤 遥太
1
Yota SATO
1
1石巻赤十字病院,皮膚科,部長
キーワード:
限局性銀皮症
,
銀細工者
,
手指
,
彫金
,
偽オクロノーシス
Keyword:
限局性銀皮症
,
銀細工者
,
手指
,
彫金
,
偽オクロノーシス
pp.1379-1381
発行日 2024年9月1日
Published Date 2024/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004756
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39歳,女性。銀細工者としてシルバーアクセサリーを作成している。数年前に彫金教室に通い,その後に左手指にある複数の小色素斑に気づいた。1mm以下の黒青色斑で,組織学的に,真皮内の黒褐色細顆粒,“偽オクロノーシス” と称する黄土色調の糸状~線維状の構造物,膨化した膠原線維やエクリン汗腺周囲への黒褐色細顆粒の沈着,楕円形の黒色顆粒状小結節を認めた。銀の職業的曝露により生じた限局性銀皮症と診断した。限局性銀皮症は粘膜や皮膚障害部位への銀の直接播種がなくても,まれに職業的曝露者の手指に生じることがある。汗腺を介した銀の侵入が推測されているが,作業時に直接触れない,遮光するなどの対策が考えられる。
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