Japanese
English
症例報告
手指後爪郭部に生じた基底細胞癌の1例
A case of basal cell carcinoma on the perionychium of the hand
芝 容平
1
,
浅野 千賀
1
,
阿部 浩之
1
,
青木 繁
1
,
藤本 典宏
1
,
小林 孝志
1
,
多島 新吾
1
Yohei SHIBA
1
,
Chika ASANO
1
,
Hiroyuki ABE
1
,
Shigeru AOKI
1
,
Norihiro FUJIMOTO
1
,
Takashi KOBAYASHI
1
,
Shingo TAJIMA
1
1防衛医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology,National Defense Medical College,Saitama,Japan
キーワード:
基底細胞癌
,
後爪郭
,
手指
Keyword:
基底細胞癌
,
後爪郭
,
手指
pp.141-144
発行日 2011年2月1日
Published Date 2011/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102810
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要約 76歳,男性.約20年前から特に誘因なく左拇指後爪郭部に皮疹が出現し,最近皮疹の拡大傾向を認めたため当科を受診した.初診時,左拇指後爪郭部にやや境界不明瞭な角化性紅斑を認め,辺縁部には黒色の痂皮を伴っていた.臨床的にBowen病や基底細胞癌を疑い皮膚生検を施行し,基底細胞癌と診断した.局所麻酔下に全摘し皮弁形成術および植皮術を施行した.爪を含めた切除標本の病理組織学的所見として,腫瘍胞巣が爪下に這うように分布している像が得られた.基底細胞癌は毛包系由来の腫瘍と考えられているが,本症例は毛包が存在しない部位から発生しており,その由来は汗器官や爪などであるという可能性も考えられる.術後1年経過した現在再発はない.
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