Japanese
English
症例
テトラサイクリン系抗菌薬が著効した角層下膿疱症の1例
Subcorneal pustular dermatosis successfully treated with tetracycline antibiotics
久保 玲子
1,2
,
新村 智己
1
,
山口 由衣
2
,
向所 純子
1
Reiko KUBO
1,2
,
Tomoki NIIMURA
1
,
Yukie YAMAGUCHI
2
,
Junko MUKAIJO
1
1藤沢市民病院,皮膚科(主任:向所純子部長)
2横浜市立大学医学部,皮膚科学教室
キーワード:
角層下膿疱症
,
ミノサイクリン
,
テトラサイクリン
Keyword:
角層下膿疱症
,
ミノサイクリン
,
テトラサイクリン
pp.1247-1251
発行日 2024年8月1日
Published Date 2024/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004714
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69歳,女性。大腸癌術後の短腸症候群のため,鼠径部に中心静脈カテーテルを留置され中心静脈栄養を受けていた。2週間前から中心静脈カテーテル刺入部周囲に皮疹を認め当科を受診した。初診時,右鼠径部の中心静脈カテーテル刺入部周囲に手拳大の膿疱を伴う紅斑を認めた。膿疱部の創部培養は陰性だった。その後,新型コロナウイルスワクチンの注射部位,下腹部の人工肛門のパウチ装着部位,間擦部を中心として全身に同様の皮疹が拡大した。特徴的な皮疹の分布と,病理組織像で角層下に好中球性膿疱を認め,角層下膿疱症と診断した。ミノサイクリン内服が著効し,過去の報告例からも,角層下膿疱症に対する治療として選択肢のひとつとなりうると考える。
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