Japanese
English
特集 梅毒
頭部のびまん性脱毛をきたした梅毒の1例
Syphilitic alopecia presenting with diffuse hair loss
澤井 康真
1
,
神﨑 美玲
1
,
南 圭人
1
,
須田 安由美
1
,
川内 康弘
1
Yasumasa SAWAI
1
,
Mirei KANZAKI
1
,
Yoshihito MINAMI
1
,
Ayumi SUDA
1
,
Yasuhiro KAWACHI
1
1東京医科大学茨城医療センター,皮膚科(主任:川内康弘教授)
キーワード:
梅毒
,
脱毛
,
梅毒性脱毛症
,
トリコスコピー
,
性感染症
Keyword:
梅毒
,
脱毛
,
梅毒性脱毛症
,
トリコスコピー
,
性感染症
pp.695-698
発行日 2024年6月1日
Published Date 2024/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004591
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52歳,男性。1カ月前から頭部の脱毛を自覚し,急速に拡大した。初診時,頭部全体にびまん性の脱毛がみられ,小型の脱毛斑が混在していた。掌蹠,外陰部を含め,そのほかに明らかな皮膚・粘膜症状はなかったが,性風俗店の利用歴があり,3カ月前に体幹・上肢に淡い紅斑が出現し自然消退した既往があった。スクリーニング検査で血清中の非トレポネーマ脂質抗体と梅毒トレポネーマ抗体が高値を示し,梅毒性脱毛症,梅毒第2期と診断した。アモキシシリン1,500mg/日を8週間投与したところ,脱毛は速やかに改善し18週間後までに正常に回復した。近年梅毒が急増しており,頭部の脱毛をみた際には,鑑別疾患として梅毒性脱毛症を考慮すべきである。
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