Japanese
English
症例
生下時より皮膚に孤発性に生じたLangerhans細胞組織球症の長期観察例
Long-term observation of congenital solitary Langerhans cell histiocytosis in the skin
加藤 有紀
1
,
田口 良吉
1
,
寺木 祐一
1
Yuki KATO
1
,
Ryokichi TAGUCHI
1
,
Yuichi TERAKI
1
1埼玉医科大学総合医療センター,皮膚科 (主任:福田知雄教授)
キーワード:
Langerhans細胞組織球症
,
単一臓器型
,
多臓器型
,
CD1a
,
langerin
,
S–100
Keyword:
Langerhans細胞組織球症
,
単一臓器型
,
多臓器型
,
CD1a
,
langerin
,
S–100
pp.635-637
発行日 2024年5月1日
Published Date 2024/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004559
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2カ月,男児。生下時より左肘に径4cmほどの軽度隆起性,表面湿疹様の紅色結節を認めた。病理組織学的に表皮は過角化と表皮肥厚を呈し,真皮では異型性を有する組織球様の細胞とリンパ球や好酸球などの炎症性細胞が密に浸潤していた。免疫組織化学染色で,これらの組織球様細胞はCD1aとS–100の両方に陽性であった。また,画像検査などで皮膚以外に臓器病変がなかったことから,皮膚に生じた単一臓器型(single system),single site(SS-s)のLangerhans細胞組織球症(LCH)と診断した。皮膚のSS-s of LCHは予後がよく,通常1年以内に自然消退するが,自験例はびらんや紅斑の再燃をたびたび繰り返しながら,治癒するまでに9年間を要した。通常数週間で自然消退する疾患だが,治癒までに9年間という長期間を要した貴重な症例を報告した。
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