Japanese
English
症例報告
成人女性の外陰部に生じたLangerhans細胞組織球症の1例
A case of Langerhans cell histiocytosis occurring in the vulva of an adult female
石井 まどか
1
,
藤田 英樹
1
,
照井 正
1
Madoka ISHII
1
,
Hideki FUJITA
1
,
Tadashi TERUI
1
1日本大学医学部皮膚科学系皮膚科学分野
1Division of Cutaneous Science, Department of Dermatology, Nihon University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
Langerhans細胞組織球症
,
成人女性
,
外陰部
,
尿崩症
,
治療
Keyword:
Langerhans細胞組織球症
,
成人女性
,
外陰部
,
尿崩症
,
治療
pp.337-342
発行日 2019年4月1日
Published Date 2019/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205682
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要約 20歳,ノルウェー在住のベトナム人女性,初診の5か月前から外陰部に疼痛を伴う皮疹を自覚した.短期留学のためノルウェーから来日した際に当科を受診した.初診時,大陰唇内側に大小の紅色小丘疹が多発・散在し,大陰唇全体は軽度腫脹を伴っていた.肛門周囲は全周性に紅色小丘疹が散在していた.病理組織像では,真皮内にリンパ球,好酸球,組織球からなる多彩な細胞浸潤がみられた.また,コーヒー豆様核を有するやや大型の組織球様細胞が多数浸潤していた.免疫染色では,大型の組織球様細胞は,CD1a,S100蛋白,Langerin(CD207)に陽性であった.以上より,Langerhans細胞組織球症(Langerhans cell histiocytosis:LCH)と診断した.全身精査では異常はみられなかった.帰国までの間ステロイド外用を行ったが,一時的な改善がみられるのみであった.自験例はLCHを疑っていなかったため,当初診断に難渋したが,成人の外陰部の病変で,組織球様細胞を含む多彩な細胞浸潤を示す場合,本症も疑うべきと考えた.
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