Japanese
English
症例
上肢に限局した色素性痒疹の1例
Prurigo pigmentosa confined to the upper extremities
藏野 美夏
1
,
澤村 清信
1
,
山田 延未
1
,
田口 詩路麻
1
Mika KURANO
1
,
Kiyonobu SAWAMURA
1
,
Enmi YAMADA
1
,
Shijima TAGUCHI
1
1水戸協同病院,皮膚科(主任:田口詩路麻部長)
キーワード:
色素性痒疹
,
上肢
,
衣服による摩擦
Keyword:
色素性痒疹
,
上肢
,
衣服による摩擦
pp.325-327
発行日 2024年3月1日
Published Date 2024/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004459
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
色素性痒疹は若年女性の項部,背部,胸部に好発し,瘙痒を伴う紅色丘疹が生じ,後に粗大網目状色素沈着を残す。今回われわれは,中年男性の両上肢に限局した色素性痒疹を経験した。46歳,男性。初診1カ月前より,瘙痒感を伴う一部網目状を呈する紅斑が肘に出現し,両上肢全体に拡大した。病理組織では小型リンパ球浸潤を伴った表皮海面状態,表皮内水疱形成,真皮上層に密な炎症細胞浸潤,赤血球血管外漏出があり,色素性痒疹と診断した。ベポタスチン,ミノサイクリン内服,ステロイド外用を行い,受診2カ月後に色素沈着となった。四肢に限局した例の報告はほとんどないが,特徴的な皮疹や症状により色素性痒疹を念頭に置く必要がある。
Copyright © 2024, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.