Japanese
English
症例
脂肪腫との鑑別に臨床所見,超音波検査が有用であった腹壁正中ヘルニアの2例
Two cases of midline abdominal hernia for which clinical and ultrasonographic findings were useful for differentiation from lipoma
西野 温奈
1
,
沢田 泰之
1
Atsuna NISHINO
1
,
Yasuyuki SAWADA
1
1東京都立墨東病院,皮膚科(主任:沢田泰之部長)
キーワード:
脂肪腫
,
腹壁正中ヘルニア
,
体表超音波検査
Keyword:
脂肪腫
,
腹壁正中ヘルニア
,
体表超音波検査
pp.1941-1944
発行日 2023年11月1日
Published Date 2023/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004278
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症例1:57歳,女性。初診2カ月前より自覚した上腹部正中皮下腫瘤を主訴に当科を紹介受診した。症例2:46歳,女性。初診10年前より自覚した上腹部正中皮下腫瘤を主訴に当科を紹介受診した。2例ともMRI検査で脂肪腫の診断であった。上腹部正中に発生し皮下と癒着していたこと,超音波検査で筋膜の欠損を疑う所見を認めたことから腹壁正中ヘルニアと考え,外科にて全身麻酔下に切除した。術中所見で2例ともヘルニア門を確認した。病理組織像では,症例1は線維性結合組織を介在した脂肪組織で大網を疑い,症例2は腹膜を介在する腹腔内脂肪を疑った。腹壁正中ヘルニアは局所麻酔下での手術は疼痛のため困難であり,術前の脂肪腫との鑑別が必須となる。今回は,術前の臨床所見,詳細な超音波検査が有用であった。
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