Japanese
English
症例
うっ滞性皮膚炎を呈した胸郭出口症候群の1例
Thoracic outlet syndrome presenting with stasis dermatitis
小笹 静佳
1
,
宮川 総一郎
1
,
後藤 穣
1
,
吉岡 勇輔
1
,
沢田 泰之
1
,
笹嶋 唯博
2
Shizuka OZASA
1
,
Soichiro MIYAKAWA
1
,
Yutaka GOTO
1
,
Yusuke YOSHIOKA
1
,
Yasuyuki SAWADA
1
,
Tadahiro SASAJIMA
2
1東京都立墨東病院,皮膚科(主任:沢田泰之部長)
2江戸川病院,血管病センター
キーワード:
胸郭出口症候群
,
うっ滞性皮膚炎
Keyword:
胸郭出口症候群
,
うっ滞性皮膚炎
pp.1945-1948
発行日 2023年11月1日
Published Date 2023/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004279
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
41歳,女性。右手の腫脹を主訴に受診した。右優位に両手の腫脹,手指の亀裂や手背の苔癬化がみられた。病理では表皮突起の延長,顆粒層肥厚,真皮乳頭層から網状層の血管拡張・増生と血管周囲の炎症細胞浸潤がみられ,真皮膠原線維の増生,膨化,均質化や脂肪織の変性を伴い,うっ滞性皮膚炎の所見であった。胸郭出口症候群の外科的治療により軽快し,胸郭出口症候群による上肢のうっ滞性皮膚炎と診断した。胸郭出口症候群は解剖学的異常や体型,不良姿勢などで胸郭出口部が狭小化し,腕神経叢や鎖骨下動静脈が圧迫され生じる。病歴や症状,臨床・画像所見を総合的に判断し診断するが,診断に難渋することも多く,生検でうっ滞を証明することも一助となると考えた。
Copyright © 2023, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.