Japanese
English
特集 日常診療に潜むリンパ腫・リンパ増殖性疾患―リンパ腫との鑑別が問題になる関連疾患―
(症例報告)
多形紅斑を生じた血管免疫芽球性T細胞リンパ腫の1例
Angioimmunoblastic T-cell lymphoma associated with erythema multiforme
森 修一
1
,
古川 史奈
1
,
牧野 輝彦
1
,
菊地 尚平
2
,
清水 忠道
1
Shuichi MORI
1
,
Fumina FURUKAWA
1
,
Teruhiko MAKINO
1
,
Shohei KIKUCHI
2
,
Tadamichi SHIMIZU
1
1富山大学大学院医学薬学研究部,皮膚科学(主任:清水忠道教授)
2富山大学附属病院,血液内科
キーワード:
血管免疫芽球性T細胞リンパ腫
,
angioimmunoblastic T-cell lymphoma
,
多形紅斑
Keyword:
血管免疫芽球性T細胞リンパ腫
,
angioimmunoblastic T-cell lymphoma
,
多形紅斑
pp.1823-1826
発行日 2023年11月1日
Published Date 2023/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004249
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64歳,女性。2カ月前から発熱,腹部の紅斑が出現し近医内科を受診した。抗菌薬加療後も発熱が持続し,全身に紅斑が拡大したため当科を紹介受診した。体幹,四肢に融合傾向にある瘙痒を伴う標的状紅斑が散在し,硬口蓋や口唇にびらんを認めた。紅斑部の皮膚生検では表皮の液状変性や個細胞壊死,真皮浅層血管周囲性の小型リンパ球浸潤がみられ,多形紅斑の所見であった。血液検査で可溶性IL-2R 8,800U/mlと高値,CT検査で多発リンパ節腫脹を認め,鼠径リンパ節生検から血管免疫芽球性T細胞リンパ腫と診断した。皮膚症状は血管免疫芽球性T細胞リンパ腫に伴う非特異疹と考えた。多形紅斑の鑑別として,薬疹やウイルス感染症のほかに血管免疫芽球性T細胞リンパ腫も念頭に置く必要がある。
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