Japanese
English
特集 日常診療に潜むリンパ腫・リンパ増殖性疾患―リンパ腫との鑑別が問題になる関連疾患―
(症例報告)
多発する黒色面皰を伴った毛包向性菌状息肉症の1例
Folliculotropic mycosis fungoides with multiple black comedones
中澤 亜美香
1
,
前 賢一郎
1
,
沼田 貴史
1
,
堺 則康
1
,
原田 和俊
1
Amika NAKAZAWA
1
,
Ken-ichiro MAE
1
,
Takafumi NUMATA
1
,
Noriyasu SAKAI
1
,
Kazutoshi HARADA
1
1東京医科大学,皮膚科学分野(主任:原田和俊教授)
キーワード:
毛包向性菌状息肉症
,
黒色面皰
,
毛包漏斗部
,
角化異常
,
モガムリズマブ
Keyword:
毛包向性菌状息肉症
,
黒色面皰
,
毛包漏斗部
,
角化異常
,
モガムリズマブ
pp.1819-1822
発行日 2023年11月1日
Published Date 2023/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004248
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69歳,男性。数年前より全身に紅斑の出現と消退を繰り返していた。初診時,両側頰部に紅色局面を形成し,毛包性丘疹,膿疱も認めた。体幹には不整形の紅斑が多発融合し地図状の局面を形成しており,一部に腫瘤もみられた。病理では毛包周囲を中心に密な異型性のあるリンパ球の浸潤を認め,大部分はCD4が陽性であった。以上より毛包向性菌状息肉症と診断した。初診から1年6カ月後には体幹で紅斑,局面が残存し,一部で黒色面皰が顕在化した。黒色面皰は,毛包向性菌状息肉症の特徴的な所見であるが,本邦における報告例は少ない。黒色面皰の発症機序として,毛包への腫瘍細胞の浸潤により毛包漏斗部の角化異常が生じ,面皰が形成されると推測された。
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