特集 リンフォーマ・白血病
非特異疹を呈し診断に難渋した血管免疫芽球性T細胞リンパ腫の1例
加藤 真梨子
1
,
川瀬 正昭
1
,
江藤 隆史
1
,
伊東 慶悟
2
1東京逓信病院,皮膚科(主任:江藤隆史部長)
2東京慈恵会医科大学附属病院,皮膚科
キーワード:
血管免疫芽球性T細胞リンパ腫
,
成人Still病
Keyword:
血管免疫芽球性T細胞リンパ腫
,
成人Still病
pp.1227-1230
発行日 2017年7月1日
Published Date 2017/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000110
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63歳,女性。2012年2月初旬,2週間以上持続する発熱と紅斑を主訴に当科を初診した。躯幹・四肢に紅斑を認め,胸部の皮膚生検で液状変性と真皮上層血管周囲性のリンパ球浸潤がみられた。経過中に頸部リンパ節腫脹も新たに出現した。リンパ節生検でリンパ節は既存の構造は消失し,比較的大型の異型細胞がびまん性に増殖しており一部淡明細胞の増殖・高内皮細静脈の増生もみられた。病理組織学的所見・発熱・リンパ節腫脹・中毒疹様皮疹・肝腫大から血管免疫芽球性T 細胞リンパ腫と診断した。自験例では当初成人Still病を強く考えたが,その診断には悪性リンパ腫の除外が必要であり,臨床症状は類似する点もあるためリンパ節生検の必要性を再認識した。
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