Japanese
English
症例
初診時,全身性エリテマトーデス様の所見を呈し,8年後に血管免疫芽球性T細胞リンパ腫と診断した1例
Merkel cell carcinoma of the left inguinal region complicated by squamous cell carcinoma
山口 春佳
1
,
大谷 稔男
1
,
上田 恭典
2
,
諏訪 直子
3
Haruka YAMAGUCHI
1
,
Toshio OHTANI
1
,
Yasunori UEDA
2
,
Naoko SUWA
3
1倉敷中央病院,皮膚科(主任:大谷稔男部長)
2同,血液内科,部長
3すわ内科・皮ふ科,倉敷市
キーワード:
全身性エリテマトーデス
,
免疫異常
,
多形紅斑
,
リンパ節腫脹
,
血管免疫芽球性T細胞リンパ腫
Keyword:
全身性エリテマトーデス
,
免疫異常
,
多形紅斑
,
リンパ節腫脹
,
血管免疫芽球性T細胞リンパ腫
pp.105-108
発行日 2025年1月1日
Published Date 2025/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004961
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72歳,女性。全身に紅斑が生じ,薬疹の疑いで当科を紹介受診した。血液検査で抗核抗体の異常高値や補体の低下などがみられ,全身性エリテマトーデスの可能性を考えた。薬剤の中止のみで皮疹は軽快したが,半年後と9カ月後に再発し,補体の値が正常に回復するまでは1年以上を要した。初診時に右鼠径部のリンパ節腫脹を認めたが,病理組織学的には反応性濾胞過形成の所見だった。その後もリンパ節腫脹は出没を繰り返し,初診から8年後のリンパ節生検で,血管免疫芽球性T細胞リンパ腫と診断した。全身性エリテマトーデス様の所見を呈してリンパ節腫脹が出没する高齢者をみたときは,血管免疫芽球性T細胞リンパ腫も念頭に置き,注意深い経過観察が必要である。
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