Japanese
English
特集 生活習慣が関連する皮膚疾患
症例報告
爪部のみ青灰色を呈した仁丹による全身性銀皮症の1例
Generalized argyria presenting with blue-gray nails caused by Jintan
大瀧 薫
1
,
梅本 尚可
1
,
山田 朋子
1,2
,
岡部 直太
3
,
大城 久
3
,
出光 俊郎
1
Kaoru OTAKI
1
,
Naoka UMEMOTO
1
,
Tomoko YAMADA
1,2
,
Naota OKABE
3
,
Hisashi OSHIRO
3
,
Toshio DEMITSU
1
1自治医科大学附属さいたま医療センター,皮膚科(出光俊郎客員教授)
2JCHOさいたま北部医療センター,皮膚科
3自治医科大学附属さいたま医療センター,病理診断科
キーワード:
銀皮症
,
仁丹
,
爪床
,
色素沈着
,
ルベアン酸染色
Keyword:
銀皮症
,
仁丹
,
爪床
,
色素沈着
,
ルベアン酸染色
pp.1633-1636
発行日 2023年10月1日
Published Date 2023/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004192
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56歳,女性。口腔清涼剤の仁丹を2カ月半の間に約3万粒服用し,合計約3gの銀を摂取した。摂取した1年後に手指爪部の変色を自覚した。初診時,全指と両第1趾の爪半月を中心に青灰色の色調変化を認めた。爪以外の色調変化は明らかではなかった。爪半月から生検を行い,病理組織所見はHE染色で表皮直下に多数の黒色粒子の沈着がみられた。ルベアン酸染色で,黒色粒子は黒褐色に染色された。銀粒子の沈着と判断し,仁丹以外に銀の摂取歴がなかったことから,仁丹の過剰摂取による全身性銀皮症と診断した。銀の同定に使用したルベアン酸染色は一般的に銅の染色法として知られるが,銀の同定にも有用である。本症を疑った際には検査法の1つとして推奨したい。
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