Japanese
English
症例
悪性黒色腫と紛らわしい臨床像を呈した続発性色素性乳房外Paget病
-―摘出した病理検体により肛門管癌が確認された1例―
Secondary pigmented extramammary Paget’s disease resembling malignant melanoma associated with latent anal canal carcinoma
高澤 摩耶
1
,
梅本 尚可
1
,
山田 朋子
1
,
長野 寿人
2
,
山本 直人
3
,
辻仲 眞康
4
,
田中 亨
5
,
伊東 慶悟
6
,
出光 俊郎
1
Maya TAKAZAWA
1
,
Naoka UMEMOTO
1
,
Tomoko YAMADA
1
,
Hisato NAGANO
2
,
Naoto YAMAMOTO
3
,
Shingo TSUJINAKA
4
,
Akira TANAKA
5
,
Keigo ITO
6
,
Toshio DEMITSU
1
1自治医科大学附属さいたま医療センター,皮膚科(主任:出光俊郎教授)
2防衛医科大学校病院,形成外科
3自治医科大学附属さいたま医療センター,形成外科
4同,一般・消化器外科
5同,病理診断科
6日本医科大学武蔵小杉病院,皮膚科
キーワード:
肛門腺由来肛門管癌
,
続発性乳房外Paget病
,
色素性乳房外Paget病
Keyword:
肛門腺由来肛門管癌
,
続発性乳房外Paget病
,
色素性乳房外Paget病
pp.1933-1937
発行日 2021年11月1日
Published Date 2021/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002962
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82歳,男性。肛門を中心に径4cm大で境界明瞭,一部に色素脱失を伴う濃淡不整の黒色斑を認めた。生検後診断は色素性Bowen病であった。半年後に隆起してきた部位を切除した病理組織検査で,表皮内にメラニン沈着,Paget細胞を伴う異型細胞の腺管形成があり,CK7+,CK20−,CDX2−,GCDFP15−であった。内視鏡検査では明らかな腫瘤性病変は認めなかったが,肛門腺由来肛門管癌の続発性乳房外Paget病を考え,直腸切断術を施行し,肛門管癌と診断した。肛門周囲の黒色病変では,乳房外Paget病の可能性も考える必要がある。そして,臨床所見,免疫染色から肛門腺由来肛門管癌の続発性乳房外Paget病を疑った場合には,肉眼的に肛門管癌を確認できなくても,直腸切断術を検討すべきである。
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