Favre-Racouchot症候群の2例

Two cases of Favre-Racouchot syndrome

症例1：88歳，女性。左頰部に軟らかい大小の黄白色結節が多発融合し，周囲には面皰と毛細血管拡張がみられた。症例2：77歳，女性。右頰部に毛包一致性丘疹が集簇し，毛孔の開大を認めた。両者とも，病理組織学的に真皮内に日光弾力線維症と大小の囊胞形成を認め，Favre-Racouchot症候群と診断した。症例1は結節の切除とアダパレンゲル外用，症例2は角栓の圧出とアダパレンゲル外用で軽快した。症例2では，Favre-Racouchot症候群に続発性限局性扁平黄色腫の合併がみられた。Favre-Racouchot症候群は，臨床像が多彩であり，また悪性腫瘍の発生母地になりうる。そのため，本症の認識は重要であると考えた。