Japanese
English
症例
洋上救急から搬送されたインドネシア人の盲腸皮膚瘻の1例
Appendico-cutaneous fistula in an Indonesian patient transported by marine rescue
野原 拓馬
1,2
,
片山 奨
1,2
,
山口 泰之
1,3
,
中村 裕之
1
,
田中 聡一
4,5
,
小田 陽一郎
6
,
廣瀬 和幸
7,8
Takuma NOHARA
1,2
,
Sho KATAYAMA
1,2
,
Yasuyuki YAMAGUCHI
1,3
,
Hiroyuki NAKAMURA
1
,
Soichi TANAKA
4,5
,
Yoichiro ODA
6
,
Kazuyuki HIROSE
7,8
1市立釧路総合病院,皮膚科(主任:中村裕之部長)
2北海道大学病院,皮膚科
3廣仁会札幌皮膚科クリニック,札幌市
4市立釧路総合病院,麻酔科
5札幌医科大学附属病院,集中治療部
6市立釧路総合病院,形成外科
7同,外科
8ひろせクリニック,釧路郡釧路町
キーワード:
盲腸皮膚瘻
,
局所陰圧閉鎖療法
,
洋上救急
Keyword:
盲腸皮膚瘻
,
局所陰圧閉鎖療法
,
洋上救急
pp.1581-1585
発行日 2023年9月1日
Published Date 2023/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004168
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21歳,男性。初診の1カ月前から,航行中の船上で右腹部に疼痛を自覚した。同部位に硬結が出現し,発熱と硬結部からの排膿を伴ったため,洋上救急により当院へ搬送された。造影CTで虫垂と連続した脂肪組織濃度の上昇を認め,術中所見で瘻孔近傍において虫垂穿孔が確認されたことから,盲腸皮膚瘻と診断した。初診の3年前に,虫垂炎に対する虫垂切除術の既往があり,遺残虫垂炎を背景として皮膚瘻を形成したものと考えた。回盲部および瘻孔の切除,感染巣の除去,抗菌薬の投与により,炎症の改善と肉芽による瘻孔の狭小化が得られた後,同部に周期的持続灌流併用局所陰圧閉鎖療法を使用することで,肉芽の増生を促進させることができた。
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