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特集 世界の助産婦と母子保健
国際助産婦連盟学術大会
インドネシアにおける母子保健
Maternal and Child Health Care in Indonesia
風間 純子
Samiarti Martosewojo
,
Janne Annas
pp.429-436
発行日 1990年5月25日
Published Date 1990/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900099
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背景と問題の所在
インドネシアは2つの大陸と海に囲まれて位置し,その領域は領土が190万km2,領海が310万km2に及ぶ。居住者は様々な民族と様々な伝統・慣習を持っているが,散りぢりに離れた数千の島々に住む居住者の人口密度は均等ではない。人口の約90%かイスラム教を信奉しており,その他にはプロテスタント,カトリック,仏教,ヒンドゥー教を信奉しているものもある。
人口は,中国,ソ連,インド,アメリカ合衆国についで世界第5位であり,現在の人口総数はおよそ1億8千万人である。出生率は人口1,000人あたり28.8人ほどで依然高い。一方死亡率は,1985年から1990年の間では人口1,000人あたり8.7人である。平均寿命は1980年に52.4歳であったものが1989年には63歳へと向上している。死亡原因となる病気は伝染病(infeksi),寄生虫(parasit),栄養失調であり,それはことに女性の健康問題に関する人々の理解と自覚の不足によるものである。発展途上国であるインドネシアは,その開発の途上において多くの問題に直面している。たとえば,教育の機会,社会経済レベルの低迷,複雑な自然・生態系,交通・通信機関の未発達,健康問題,人口問題など,数えきれないほどである。
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