Break 日本の管理栄養士・栄養士たちのグローバルチャレンジ―JICA栄養士隊員の活動を通じて③
インドネシアでの活動を通じて
手島 祐子
1
Yuko Teshima
1
1株式会社三祐コンサルタンツ
pp.337-339
発行日 2025年9月1日
Published Date 2025/9/1
DOI https://doi.org/10.32118/cn147030337
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インドネシア国の食事と食習慣
インドネシアでは地域ごとに食文化が大きく異なるが,派遣先であったロンボク島における食事と食習慣は,その土地の気候やイスラム教徒が約9割を占める宗教,生活様式を色濃く反映している.「ロンボク」とはインドネシア語では「唐辛子」を意味しているように,この島では唐辛子の消費が多く,地元では辛い料理を非常に好む.
代表的な料理に「ペルチンカンクン(plecing kangkung)」がある(写真1).空芯菜やもやしを茹で,唐辛子ベースの辛いソースをたっぷりかける一品で,ロンボク料理の象徴と言える.赴任当初はその辛さに驚き,食べるのがむずかしかったが,徐々に慣れ,任期中は定期的に食べたくなるほど好むようになった.
ロンボク島では人口の約7割が農業に従事しており,市場には地元産の新鮮な野菜や果物が手頃な価格で豊富に並ぶ.そのため食卓に野菜が比較的多く登場し,インドネシアの他地域に比べ野菜摂取量が多く感じられた.

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