Japanese
English
症例
皮膚の色素沈着と脱毛を伴った消化器症状からCronkhite-Canada症候群と診断した1例
Cronkhite-Canada syndrome diagnosed from digestive symptoms, skin pigmentation and hair loss
當真 由芽乃
1
,
太田 有史
1
,
阿部 佳奈美
1
,
野口 正郎
2
,
小池 和彦
2
Yumeno TOMA
1
,
Arihito OTA
1
,
Kanami ABE
1
,
Masaaki NOGUCHI
2
,
Kazuhiko KOIKE
2
1東京慈恵会医科大学附属第三病院,皮膚科(主任:太田有史診療部長)
2同,消化器・肝臓内科
キーワード:
Cronkhite-Canada症候群
,
脱毛
,
消化管ポリープ
Keyword:
Cronkhite-Canada症候群
,
脱毛
,
消化管ポリープ
pp.1557-1560
発行日 2023年9月1日
Published Date 2023/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004162
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83歳,女性。4カ月前に右第4趾の色素沈着を自覚し,その後手足全体に拡大した。まもなく食思不振の持続と頭髪や睫毛の脱毛が急速に進行した。手背の褐色斑の生検では基底膜にメラニン顆粒の沈着を認めた。内視鏡検査では胃は全体的に粘膜が発赤し,イクラ状のポリープが多発していた。以上から,Cronkhite-Canada症候群と診断した。Cronkhite-Canada症候群の病因は,未だ解明されていない。現時点ではストレスが誘因となり,消化管粘膜に炎症が生じ,その修復反応に際してポリポーシスが形成され,腸管炎症による消化吸収不良が続発する可能性や自己免疫による炎症性疾患の可能性などが推測されている。自験例は,頭皮トリコスコピー所見から自己免疫反応を示唆する可能性が考えられた。
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