内科的治療のみで皮膚症状が寛解したCronkhite-Canada症候群の1例

Cronkhite-Canada syndrome with remission of cutaneous symptoms after internal therapy

68歳，女性。頻回の下痢，血便，体重減少，脱毛，色素沈着，爪甲異常を自覚し当院を受診した。内視鏡検査で，胃に腺管開口部の開大した発赤調ポリープの密集・集簇，大腸にイチゴ状のポリープ様隆起の集簇を認めた。病理組織学的に非腫瘍性ポリープであり，Cronkhite-Canada症候群と診断した。プレドニゾロン50mg/日内服より治療を開始し，消化器症状，皮膚症状が改善した。2カ月でプレドニゾロン内服を終了し，その後も寛解が得られている。Cronkhite-Canada症候群は，消化管に多数の非腫瘍性ポリープが発生する非遺伝性疾患である。皮膚症状は，色素沈着，脱毛，爪甲異常の3徴を伴う。本症は適切な治療により良好な経過を得られるため，診断に際して皮膚科医の役割も大きいと考える。