Japanese
English
症例
棘融解を慢性膿皮症の瘻孔内のみで認めた増殖性天疱瘡の1例
Pemphigus vegetans with acantholysis restricted in the fistula of chronic pyoderma lesion
和田 澄華
1
,
神戸 直智
1
,
臼居 駿也
1
,
村田 光麻
1
,
藤本 正数
2
,
加来 洋
1
,
椛島 健治
1
Sumika WADA
1
,
Naotomo KAMBE
1
,
Shunya USUI
1
,
Teruasa MURATA
1
,
Masakazu FUJIMOTO
2
,
Yo KAKU
1
,
Kenji KABASHIMA
1
1京都大学医学部附属病院,皮膚科(主任:椛島健治教授)
2同,病理診断科(主任:羽賀博典教授)
キーワード:
増殖性天疱瘡
,
慢性膿皮症
,
免疫染色
,
IgG4
Keyword:
増殖性天疱瘡
,
慢性膿皮症
,
免疫染色
,
IgG4
pp.1535-1538
発行日 2023年9月1日
Published Date 2023/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004156
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64歳,女性。24年前に全身に水疱と粘膜病変が出現し,生検結果と抗デスモグレイン3抗体陽性であることから尋常性天疱瘡と診断された。7年前から間擦部に増殖性病変が出現し,増殖性天疱瘡と診断した。ステロイド増量で病変は縮小するも鼠径部の皮疹は残存し,再診時には多数の瘻孔を認めた。臨床像から慢性膿皮症を疑い切除した。病理組織像では,瘻孔内に限局して棘融解を認め,活動性が高い状態を示すIgG4が表皮基底層を中心に染色された。慢性膿皮症の瘻孔内で重層扁平上皮同士が擦れたこと,あるいは瘻孔内においてのみ特有の細菌叢が形成されたことにより,二次的に棘融解を生じたと考えた。
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