Japanese
English
症例報告
細菌感染を伴った増殖性天疱瘡の1例
A case of pemphigus vegetans associated with bacterial skin infection
三海 瞳
1
,
石井 健
1
,
鷲崎 久美子
2
,
石河 晃
1
Hitomi MIKAI
1
,
Ken ISHII
1
,
Kumiko WASHIZAKI
2
,
Akira ISHIKO
1
1東邦大学医学部皮膚科学講座
2大森町皮ふ科
1Department of Dermatology, School of Medicine, Toho University, Tokyo, Japan
2Omorimachi Hihuka, Tokyo, Japan
キーワード:
増殖性天疱瘡
,
膿疱
,
Hallopeau型
Keyword:
増殖性天疱瘡
,
膿疱
,
Hallopeau型
pp.495-500
発行日 2024年6月1日
Published Date 2024/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207339
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要約 86歳,女性.受診1か月前に外陰部に小指頭大の褐色斑が出現.その後,鼠径部や肛門部まで拡大傾向を認めた.徐々に瘙痒感と疼痛を伴ったため,近医を受診し精査目的に当科に紹介され受診した.当院初診時は口腔内病変と,外陰部に膿疱を混じる隆起性褐色斑を認めた.皮膚生検を行い,病理組織で基底層直上での棘融解と好酸球を含む表皮内膿疱形成がみられ,蛍光抗体直接法では細胞間にIgGが陽性.血液検査では抗デスモグレイン3抗体が上昇しておりHallopeau型増殖性天疱瘡と診断した.本疾患は外陰部や口腔粘膜に膿疱を混じる皮疹として発症することが特徴である.過去の本邦報告例を集計したところ表皮増殖部での好酸球性膿疱の存在がNeumann型より有意に多く,また,細菌感染合併例も多かった.細菌感染が発症機序あるいは病態の形成に関与している可能性があると推察した.
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